雨量観測の概説 大気から降下する水を降水と呼びます。降水は雨と雪に大別されます。降水量は水位、流量、地下水位、流出土砂量や水質などとの関係が深いので、災害対策や水資源計画等のために欠くことができない資料です。 降水量の測定単位は降水が平面に溜まったとした場合の深さ(mm)で表します。また、一定の時間(例えば1時間)内に溜まった降水量を降水強度と呼び、(mm/h)で表します。 降水量は一般に雨量計、雪量計で測られます。雨量計の受水口は円形で、通常20cmであるため、雨量は広い流域からみれば点で測られているようなもので地点雨量と呼ばれます。
【解説】 [1] 降水量とは、雨、雪・みぞれ、あられ、雹など、 液体・固体で大気より落下する水の量である。 雨量とは、地表で雨として観測される水の量である。 従って、降水量観測は、雨量観測より対象が広い(雪などを含む)ので、 寒冷対策などの配慮が必要である。 [2] 降水量観測は降雨量と降雪量の観測に大別される。 雨量形にヒータをつけるなど、若干の改良手段を施すことにより、 雨のみならず、みぞれ、雹(主として暖候期に降る) 湿った雪などが観測できるので、九州、四国、本州の低地の大部分では 雨量観測所にヒータをつけた雨量計等を用いることで降水量を観測できると言える。 つまり雨量観測所を降水量観測所と読み変えても著しい違いにはならない。 しかし、北海道及び本州の北部と山岳地方などでは、 ヒータ等により改良しても、雨量計だけではすべての降水量は測れない。 [3] 雨量はある時間内に地上に設置された容器に捕捉された雨の量である。 この時の観測時間により時間雨量、日雨量等の呼称が用いられる。 観測時間は観測目的により異なるが河川の計画・管理のためには 通常1時間単位の降雨量と日単位の降雨量が用いられている。
出典:『水文観測(国土交通省水文研究会 著)』社団法人 全日本建設技術協会
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