流量観測

概説

 流量観測は全国約1,500ヶ所で行っています。流量観測は一般的に、観測した水位に対して水位と流量の関係(水位流量曲線式)から求めます。水位と流量の関係は各観測所において低水から高水までを対象として流量観測を実施することにより求めています。

観測方法

流量観測は一般に、低水流量観測と高水流量観測に区分されます。いずれも、河川の横断方向に測線を設定し、測線の流速を測定し、河道の横断測量よる測線毎の断面積と流速から流量を求めるものです。

1)低水流量観測
低水流量観測は、洪水以外の平常時の流量を観測するために行われるものであり、主に流速計を用いて直接流速を観測します。

2)高水流量観測
高水流量観測は、主に洪水時の流量を観測するために行われるものであり、橋上から浮子を投下し、これを一定距離の区間を通過する時間を計ることにより、流速を求めます。

観測機器

1)流速計
流速計には回転式流速計(プライス式、オット式、広井式等)と電磁流速計があります。回転式流速計は流水の流れによる羽根の回転速度から流速を求めるものであり、電磁式流速計はファラデーの電磁誘導の法則を利用して、磁場内を移動する電導体(流れ)により発生する起電力から流速を求めるものです。

2)浮子
浮子は河道の状態や水深に応じて使い分けられます。また、水深方向の流速分布を代表させるため、流速は更正係数を乗じて求めます。

3)非接触型流速計
非接触型の流速計は、電波や音波のドップラー効果を利用して流速を観測する電波流速計、超音波流速計、流下物等をビデオ撮影し、画像解析により流速を測定するオプティカルフロー法、PIV方式等の方法があります。