水位観測の概説

水位とは、水面の高さを基準面から測ったものです。河川の水位は、流量の変化や河床の変動によって変化します。とくに河口水位や感潮部の水位はさらに潮汐や高潮・津波等による潮位の変動の影響を受けます。貯水池や湖沼の水位は広い面積を対象としているため、風による影響および蒸発による水位低下を示すことがあり、セイシュによる振動を示すことがあります。
水位は、河川を管理する目的で時々刻々観測されております。洪水時における水位観測は洪水予報や水防活動に重要な情報を提供し、また渇水時においては用水の取水量や取水位の管理に用いられています。
水位は原則として東京湾平均海面(T.P.)を基準として測ります。上流から下流あるいは隣接観測所間で水位の相互関係を明らかにするため、水位を基準面からの値にしております。このため、水位観測所には水準基標(水準測量のベンチマークであって、水準拠標とも呼ばれます)を設置し、その高さを予め基準面から水準測量で測っておき、この値から水位標の零点高を正確に測量し、記録しておくことが重要となります。
水位の測定単位はmとし、小数点以下2位(cm)まで表記します。